野生動物学初歩実習 活動報告(10月30日)
10月30日は、法然院森のセンターの山に登り、山の中にカメラを設置するという活動でした。これは京都市動物園が行っている調査活動の1つで、動物園近隣の山にどのような動物が生息しているのかを調べています。京都市動物園では、動物を飼育・展示するだけでなく、さまざまな調査・研究活動を行っています。今回は、この調査に同行させて頂きました。
普段の活動は、動物園での動物の行動観察ですが、今回は登山してフィールドに出かけたことで、生徒たちはいつもとは違う新鮮味を感じていたと思います。
法然院の森は、寺院が所有し、自然林が保護されている森林です。カシの木などが多く分布し、林床にドングリやクリが多くみられる豊かな森です。登山は結構大変で、落ち葉や石で滑りそうになりながら、そして数多くの蚊の大歓迎を受けながら、ポイントとなる動物の水飲み場を目指しました。目的地に到着し、定点カメラの電池交換や設置場所を変える作業のお手伝いをしました。調査に用いられているのは赤外線カメラで、動物が水飲み場に来ると、動物の動きに反応してカメラが作動し10秒間の動画が撮影されるしくみとなっています。
下山後は、動物園内の会議室で、カメラから回収されたメモリーカードのデータの分析を行いました。生徒たちは、画像にシカやタヌキ、イタチなどが写っている様子を見て、楽しそうに日付と時間、摂餌などの行動記録をエクセルシートに入力していました。画像に写った動物を1つ1つ確認していくのですが、最初は動物の種類がよく分からず戸惑っていました。ですが、動物園の職員の方々や学部生アドバイザーに教えて頂くうちに、次第に動物を見る目の精度が上がりました。ヒヨドリ、ハシブトガラスなどの鳥類や、同じシカでも、大人の雌雄、若いオス、子供などの区別もできるようになりました。この日は、新たに長いしっぽが特徴のハクビシンも覚えました。このようなデータから、山にどのような動物が生息しているのか、また、それらの動物がどのような時期や時間帯に活動しているのかなどを知ることができます。生徒たちは作業を通して、何か新しい気づきがあるかを丹念にチェックしていました。