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2022/12/22 すべて学園ブログ

二学期終業式を迎えました。

講話の前に先月11月25日㈮から、姉妹校である韓国の善隣インターネット高校を訪問しましたので、少し触れておきます。

善隣インターネット高等学校は、創立当初は善隣商業学校といい、本校の前身にあたる大阪大倉商業学校と同じく、創設者は大倉喜八郎翁です。
今年で姉妹結縁を締結して38年になります。

2つの石碑は、左側が本校の共用棟の東側にある石碑、右側が善隣インターネット高校の校門を入ったところにあるもので、「百年を踏まえ、千年を跳こう!」と刻まれています。
新型コロナの影響もあり、ホームステイなど生徒間の交流は途絶えてしまっていますが、交流再開にむけ、本校同窓会の方々を含む11名で訪韓しました。

善隣は、今は公立の高校ですが、硬式野球部が強く、韓国の全国大会で優勝したこともあり、プロ選手も排出するなどの強豪校でもあります。

11月27日㈰の午前中、ソウルにある「チョンミョ」、日本語ではそうびょう【宗廟】と呼ばれますが、1995年にUNESCOに登録された韓国の世界遺産(文化遺産)を訪れました。

宗廟で行われる祭礼に参列する人たちは、1392年に建国された李氏朝鮮の子孫の人たちです。
宗廟は、李氏朝鮮の祖先(歴代の王)の霊を祀っているところです。
李氏朝鮮は、倭寇の撃退に尽力した李成桂により、1392年に建国され、1910年に日本が韓国を併合するまで朝鮮半島を統治します。1392年は、日本では室町時代の初めにあたり、同じ年に南北朝の合一がなされた頃で、室町将軍でいうと三代将軍足利義満の時ということになります。

宗廟は、主に正殿と永寧殿で構成されていますが、正殿は解体修理中で、11月27日の日曜日は、永寧殿で儀式が行われました。

永寧殿の前に立っている黒い装束の方々が、李氏朝鮮の直系の王の子孫の人たちで、赤い装束の人たちは、楽器を演奏する楽工と呼ばれる人と伝統舞踊を踊る人たちです。
この宗廟祭礼は、年に2回、5月と11月の第一日曜日に行われますが、今年は10月29日に日本人二人が亡くなったソウルの梨泰院(イテウォン)で起こった将棋倒しの事故により延期され、11月27日におこなわれました。

儀式で使われる楽器の中には、日本でも雅楽で使われる篳篥(ひちりき)や中国伝来の二胡とよばれる楽器があります。
儀式は編鐘(ヘンショウ)と言われる鐘の音で始まります。
編鐘の枠の上には、青龍が空を舞い、二本の柱の受け台には青い獅子が彫刻されているのがわかると思います。 青色は東と春を表し、始まりを意味します。また、獅子は雄壮さを意味するといわれています。

そして、編磬(ヘンケイ)の玉の音で終わります。
編磬は“L”字形の玉という石16枚で構成された石の楽器です。厚さが厚いほど高い音が出るそうです。繊細な厚さで音の差を出すために、手袋をはめず素手で作業されます。 韓国で編磬を作ることができるのは、キム・ヒョンゴンさんお一人だけだそうです。牛の角で作った槌で編磬の音を点検します。

音色といい楽器といい、日本・韓国とも歴史的に見ても色濃く中国の影響が大きいといえます。
相互交流の再開には少し時間がかかりますが、過度な主張をせず、それぞれの国の文化や歴史にお互い敬意を払う姿勢こそが、国と国、国民と国民の本当の友好につながるとも思います。

以上で韓国訪問の話を終わります。

次に、二学期終業式の講話に移ります。

「成果を上げるための5つの能力」について話をして終わります。
今年1年も終わろうとしていますが、1年間あるいは、二学期の成果はどうでしたか。
話は少しずれるかもしれませんが、サッカーワールドカップが先日終わりました。
日本は目標の8強の壁に届かず、結果としてベスト16で終わりました。ただ、同じ16強でも別の次元でみれば、質は少し違うかもしれませんし、少しずつ上昇はしているといえるかもしれません。

では、君たちであれば、8強の壁を越えるには、どのような目標を定めますか。単純に、8強を目指すには8強を目標にしている限り、8強の壁は突破できないということは前回や今回からみてわかることです。

8強の壁を突破するには4強を目指す。ベスト4を目指す。あるいは1番を目指す、ワンランク上を目指さないと突破はありえません。
ですから、必然的に、何をどう、どのレベルまでいつまでに到達させ、どう実践していくかが求められることになります。 
 大学受験も同じです。
第一志望大学、学部、学科が決まっているのであれば、一つ上を目指すことです。
共通テストで800点が必要なら、850点以上を目指さないと800点はとれません。
各々、目標を達成するためにはどうしていくか。

【テロップ17】
成果をあげるためにどうするか。必要な能力は5つ。
① 時間を管理する。
② 貢献に焦点をあてる。何が好きなのか。それが社会にどのように役立てるのかを考える。
③ 自分の強みを生かす。
④ 重要なことに集中する。
⑤ 成果をあげるために意志決定をする。
の5つです。
 
中でも重要なのはどれでしょう。それは①と③の「時間」と「強み」です。
人が誰しも持っているのは、この2つ。時間も強みも個人のもので、誰にも奪われないし、使うのは生徒の皆さん、自分自身で自由です。「強み」は無いと思っていては、いつまでも「強み」はできません。「強み」を作るのも、見つけるのも君たち自身、一人ひとり違います。

 ②④⑤の貢献と集中と意志決定は方法であって、自分を成長させるための要素にすぎません。強みと時間。この2つをどう使うか、どう生かすことができるかで、君たちの人生は大きく変わってきます。

 さて、壁掛けカレンダ-も残り1枚。カレンダーの語源はいくつかあるそうですが、ラテン語の「カラレ」「カーロー」という呼び集めるという意味とか、古代ローマでの帳簿を「カレンダリウム」が、いつしか暦に転じたともいわれていますが…。
今年1年を振り返り、反省するところは反省し、自分の強みに変え、来年に生かしましょう。この冬休みに自分の強み、人より秀でていることは何かを考え、作る努力をしてみましょう。また、時間の使い方の工夫をしてみてください。
以上で、二学期終業式の講話を終わります。

最後に、登下校、バスの分散乗車に協力してくれてありがとう。
良いお年を。