2022年度 野生動物学初歩実習報告
2月25日(土)
いよいよ明日26日に開催される第67回プリマーテス研究会でのポスター発表に向けての最終準備です。定期考査まで一週間を切った大変な時期ですが、本校の情報教室で北野高校の生徒たちや京都大学の学生アドバイザーの皆さんと発表の練習に励みました。
発表原稿の修正をしたり、予想される質問への対応を考えたりと、何度も何度も発表練習を行いました。教員やアドバイザーからの厳しい指摘に固まってしまうこともありましたが、チームで話し合い、最善を目指して発表練習を続けました。
最後、OKが出たときには、「おわったぁ」と思わず声が漏れる場面も。「明日、発表できるのが楽しみです」と頼もしい様子が見られました。
2月26日(日)
発表当日。今日は、朝7時10分に新大阪駅に集合です。6時50分には本校生全員が集合完了していました。「朝4時に起きて、ご飯もしっかり食べました」と、気合いが入りながらも、ほどよくリラックスできている様子でした。乗車予定の新幹線が雪の影響で少し遅延するというアクシデントがありましたが、無事に乗車し、名古屋を目指します。
新幹線の中でも、発表に向けて余念がありません。昨日の発表練習が終わった後に追加した発表資料や原稿の文言について、一時間弱打ち合わせをしていました。
名古屋駅についた後は、名鉄に乗り換え犬山にある日本モンキーセンターを目指します。会場に近づくにつれて生徒達が少しずつ緊張していくのがわかりました。
モンキーセンターに到着した後は、会場に入り準備をしました。開会の挨拶の後、午前の口頭発表を聞き、いよいよポスター発表の時間がやってきます。発表が始まると、沢山の方がポスターの前に来てくださいました。生徒たちは一生懸命に説明します。練習の成果が出たのか、非常に上手に説明できていました。新しく追加した資料も使います。想定外の質問にも慌てることなく対応し、貴重な意見をもらうことができました。
研究会では、他にも高校生が口頭発表やポスター発表をしていました。異なる学校であっても、発表を通じて生徒同士の活発な交流が生まれる様子を見ると、参加できて本当によかったなと感じました。
また、ポスター発表の会場でもひときわ目を引いたのが、小学生の発表です。「モンキーセンターの夏期プログラムに参加し、もっと研究を続けてみたいと思って、調査を続けました」と話してくれましたが、ポスターを見ると、年間を通して100回以上の観察をしていることがわかり生徒は衝撃を受けていたようです。誰かに強制されたわけでなく、純粋な好奇心でここまでの研究を仕上げたことに、私自身も驚きを隠せませんでした。研究会の冒頭でも話がありましたが、若い世代の発表が増えているそうです。今後ますます研究会が盛り上がるのではないかと思うとわくわくしてします。ポスター発表の時間の後は、午後の口頭発表の時間です。なんと普段指導をしてくれている、ジュニアアドバイザーの方の発表(霊長類に関する発表で、スライドも発表もすべて英語でした!もちろん質疑応答も英語!!生徒の皆さん、聴き取れましたか?)もありました。こちらには何もアナウンスがありませんでしたが、生徒たちのサポートと並行して準備をされていたのです。自分たちに一番身近な存在であるアドバイザーが堂々と発表し、受け答えをしている姿を見て、生徒が何か感じてくれたのなら嬉しく思います。
研究会閉会後は、帰阪のためすぐに名古屋駅に向かいます。少しだけでしたが、食事をとったり、お土産を買ったりする時間がありました。発表も終わった後の自由時間。楽しく過ごせたのではないでしょうか。新幹線に乗り込んだあと後は、疲れがどっとでたのか、静かな車内でした。無事に新大阪で解散し、今回の発表の旅は終わりになります。
発表が終わり、改めてこの半年を振り返ると、この京都大学の高大連携講座が、生徒にとってどれほど貴重ですばらしい取り組みだったのかということです。今後もこの取り組みがずっと続くよう願う次第です。
最後になりますが、山本真也先生・徳山奈帆子先生を始めとした京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院野生動物学初歩実習関係者の皆様、ジュニアアドバイザーの皆さん、ご指導いただき、誠に有り難う御座いました。
※日本モンキーセンターHP プリマーテス研究会
https://www.j-monkey.jp/research/conference.html
※京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院HP 高大連携PJ
https://www.wildlife-science.org/ja/self-planning/highschool.html