関西大倉中学・高校ラグビー部OB木田晴斗、フル出場で大活躍 国内最高峰『リーグワン』プレーオフトーナメント準決勝を突破 いざ決勝戦、国立の舞台へ
5月14日、負ければ終わりのプレーオフトーナメント準決勝、木田選手所属のクボタスピアーズ船橋・東京ベイと東京サントリーサンゴリアスの試合が行われた。レギュラーシーズンではスピアーズの2連勝、木田選手は2試合ともトライを挙げており、この試合もスピアーズのエースとしてトライの期待がかかる。今シーズンの戦いから考えて負ける要素はないと見ていたが、トーナメントの独特な雰囲気の中、スピアーズ最初のペナルティーゴールのチャンスは左に逸れて得点にならない。開始早々、1人の退場者が出て14人での戦いが強いられたサンゴリアスだがシーズンを遥かに上回るスピーディーかつ激しい動き、攻守の出足も鋭く、この一戦に懸ける思いがひしひしと伝わってきた。スピアーズが誇る強力FWによるラインアウトモールもなかなか得点に繋がらない。サンゴリアスがペナルティーゴールで先制後、前半23分にスピアーズが逆転のトライ、しかしその直後29分にサンゴリアスが再逆転のトライを挙げ、緊迫したシーソーゲームの展開となり、スピアーズが3点ビハインドで前半を終えた。後半開始早々、木田選手がサンゴリアスのエースで日本代表の松島選手に狙いを定めた強烈なタックルを浴びせ、会場を沸かせた。後半19分にはハラトア・ヴァイレア選手のキックに素早く反応し約40mのキックチェイスを見せ、相手陣ゴール前に攻撃の起点を作る好プレーも見せた。また、厳しいマークにあう中でもボールを持った際には力強いランニングで必ず前進するなど、この日も随所に木田選手らしさを発揮した。試合は後半36分にスピアーズがトライ、コンバージョンキックも成功し24対13、この時点で残り約3分となり、1トライ1ゴールでは追いつけない点差、誰もがスピアーズの勝利を確信したが、ここからドラマが始まった。後半39分にサンゴリアスがトライ、急いで蹴ったコンバージョンキックは外れたがスコアは24対18となり、ラストワンプレーを残した。1トライ1ゴールで逆転の可能性のあるラストプレーでサンゴリアスが自陣からフェーズを重ね、大外に展開、木田選手も懸命に追うが中央にトライをされる。万事休す、と思われたがその前にあった反則に救われる形でこのトライは認められなかった。しかし、試合はまだ終わらない、サンゴリアスはさらに猛攻を仕掛け、ゴール前まで迫る。スピアーズも懸命に守るが、最後はサンゴリアスがモールを押し込み、左隅に執念のトライ、かと思われたが、グラウンディングしていたかどうかレフリーは確認できず、TMO(ビデオ判定)で何度も映像が確認された。レフリーによる慎重な協議の結果、最終判断は「ノートライ」でそのまま試合終了。これぞ日本最高峰の名にふさわしい、間違いなく今シーズン最高の試合であった。また、試合終了の瞬間に両チームの選手がレフリー、相手選手に握手を求め、互いに健闘を称えあっていた姿はラグビーの『ノーサイドの精神』を表した感動的なシーンであった。
さあ、激闘を勝ち抜いたスピアーズは初の日本一をかけて、昨年王者の埼玉パナソニックワイルドナイツと国立競技場の舞台で激突する。決勝戦は5月20日(土)14時35分キックオフ。
新人王、そして日本代表に向かって突き進む本校OBの木田選手にこれまで以上の熱い応援をお願いしたい。
(J SPORTS1 / 日本テレビ系全国ネット他で放送予定)
写真提供 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ